2020年のEA評価ランキング年間ベスト20はこうなった!
当ブログで毎月公開しているGogoJungleのEAを対象としたEA評価ランキングですが、2019年に続き2020年についても年間でのランキングを発表したいと思います。
その前にこのEA評価ランキングについてですが、毎月のEA評価ランキングと同様、デモ口座でのフォワードの成績について取引回数100回以上かつ1年以上のフォワード期間があって、収益率50%以上、RF(リカバリーファクター)4.0以上、1年以内に利益更新ありなど、厳しい条件をクリアーしたEAだけを評価対象としています。
ただし評価対象の基準となるこの長期間(全期間)の成績は対象EAを絞る時だけに使用し、今回のランク付けの際はあくまで一年間の成績のみで行っている点が通常のEA評価ランキングと異なる点です。
なおデータは2021年1月3日時点での過去12ヶ月間のデータ(収益率・PF・RF)で、それを基に各指標ごとにランク付けし、各ランクの合計値の小さい順に順位を算出しました。
また直近でデータ計測が数ヶ月程度停止していると思しきEAについては成績が良くても対象に含めていません。
それではランキングを発表します(ベスト20まで)。
順位 | EA名称 | 通貨ペア | 収益率 | PF | RF |
1 | AMA_EURUSD | EURUSD | 87.15% | 4.27 | 8.21 |
2 | 上がり3ハロン | USDJPY | 78.02% | 5.54 | 6.06 |
3 | 梓弓_USDJPY | USDJPY | 89.93% | 1.79 | 6.72 |
3 | ChallengeScalMorning V GBPCAD | GBPCAD | 58.50% | 2.98 | 5.71 |
5 | PEACE | AUDCADほか | 119.50% | 1.98 | 4.19 |
6 | Swing_Max_EURAUD | EURAUD | 136.82% | 1.69 | 4.22 |
7 | tagosaku mom USDJPY | USDJPY | 67.77% | 1.75 | 5.60 |
8 | ロンドンは午前7時 | EURUSD | 77.06% | 1.51 | 5.59 |
9 | Noah`s mini GBPJPY | GBPJPY | 58.79% | 1.56 | 3.38 |
10 | KUNAI_USDJPY | USDJPY | 40.42% | 1.83 | 3.26 |
10 | ステイブルアロー【EURJPY】 | EURJPY | 31.41% | 1.93 | 3.50 |
12 | ESCADA-USDJPY- | USDJPY | 19.24% | 2.72 | 4.11 |
13 | Sazanami ver1.0 (EUR/JPY) | EURJPY | 28.89% | 1.65 | 3.67 |
14 | Rejina P3 GJ | GBPJPY | 25.93% | 1.84 | 3.52 |
15 | ラスト侍EURUSD_5分足 | EURUSD | 26.83% | 2.47 | 2.92 |
16 | 一本勝ち | USDJPY | 55.50% | 1.51 | 2.01 |
17 | Unison | USDJPY | 33.04% | 1.57 | 2.65 |
18 | デュアル・キャスト | USDJPY | 53.65% | 1.36 | 2.55 |
19 | ZeroGravityEA_EURUSD | EURUSD | 52.59% | 1.37 | 2.16 |
20 | FOREX RANGE FREAK EURUSD | EURUSD | 36.34% | 1.33 | 3.05 |
※2021年1月3日時点でのGogoJungle提供のデモ口座フォワードデータをもとに集計しています。
AMA_EURUSD強し!
というわけで、1位は昨年3月以降に上昇を続けているユーロドルのトレンドに上手く乗っかている感のあるAMA_EURUSDでした。
SLやTPを設定せず長期で一部のポジションを保有して含み益を伸ばしつつ、他のポジションは内部ロジックで比較的浅めで利確したり損切したりしつつ別のポジションを追加したり、時には数百pipsを獲得して利確したりと、非常に不思議なロジックのEAです。
バックテストや他通貨ペア版を見ると大きな含み損を抱えることもあり、最大ドローダウンも大きいので、当初はこのEAを評価対象から外すことも考えましたが、1年以上大きなドローダウンもなく好調なフォワードを維持しており、ナンピンやマーチン、グリッドとも異なるロジックということで評価対象に加えたところ、昨年後半からはランキング1位をキープし続けている状況です。
日足判定で大きなトレンド方向にポジションを保有し続けるようで、3月中旬からずっとロングでエントリーしているようですが、基本長くポジを持ち続けますので、トレンドの急激な転換が起こったりレンジになって日足判定に狂いが起こらない限りは今後も好調を維持しそうです。
ボーナス相場以降も好調を維持したEAが上位にランクイン!
昨年は3月4月にボーナス相場となったEAが多かったですが、一本勝ちのように3月に大きく勝ったもののその後停滞してしまったEAも目立ちました。
しかし後半取引数の少なかった2位の上がり3ハロンは別として、1位のAMA_EURUSD以外でも上位にランクインしたEAはボーナス相場以降も好調を維持したEAが多かったです。
特に3ポジで月間2000pipsを何度もたたき出したSwing_Max_EURAUDや、10月以降調子を上げて利益を更新してきたChallengeScalMorning V GBPCAD、年間を通じて安定的に利益を上げ続けたアノマリー系の梓弓_USDJPYやロンドンは午前7時、増ロットナンピンの利点が活きたPEACEなどはいずれも収益率が50%を超えており、見事に相場に適応できていました。
多ポジEAやナンピンEAが躍進!
2020年は1位のAMA_EURUSDやPEACEなど、比較的リスク高めと思われていた多ポジEAやナンピンEAが活躍し人気が目立った年でした。
今回は評価対象外でしたが、GogoJungleで上半期に常に売れ筋上位だったPremia_Scal_USDJPY_M1(最大20ポジ)や現在売れ筋1位のロンギヌスEURCHF(最大20ポジ)も勢いに乗った時の多ポジEAの威力を見せつけてくれました。
また、1年以上のフォワードでまだ月間で負けのないPEACEや、評価対象外ですがナンピニアEURUSDのようなリスク抑制的なナンピンEAが出てきて、個人的にはこれまで回避していたナンピンEA、ナンピンロジックの良さに目を向けさせてくれたのは収穫でした。
アノマリー系EAも強かった!
先に触れましたが梓弓_USDJPYやロンドンは午前7時などのアノマリー系EAが年間を通して活躍したのも昨年の相場の特徴でした。
特に梓弓_USDJPYに代表される仲値発表前後の相場の動きやゴトー日などの実需を利用したドル円のアノマリー系EAについてはいくつも新しいEAが登場して、いずれも好成績だった印象です。
ただ類似のロジックでも使用時間足やエントリー時間にこだわったEA、テクニカル分析と組み合わせたEA、カスタマイズ性を重視したEAなど、それぞれ特徴あるものが多く出てきてユーザーにとってはアノマリーEAの選択肢が増えたことは喜ばしい(悩ましい)ことではなかったかと思います。
またアジア時間の高値安値の逆張りの動きを利用してロンドン時間にエントリーするロンドンは午前7時は年間を通じて好調でしたが、ドル円の仲値トレード系EAはじめ他のいろんなタイプのEAと組み合わせて運用できそうな点も評価できますし、人気急上昇なのも納得です。
古豪スイングが復活した!
今回のEA評価ランキング年間ベスト20の中に7位・tagosaku mom USDJPY(2013年5月~)、9位・Noah`s mini GBPJPY(2013年8月~)、13位・Sazanami ver1.0 (EUR/JPY)(2013年9月~)、14位・Rejina P3 GJ(2013年12月~)と、いずれも6年以上の長期フォワードを乗り越えてきたスイングEAがランクインしました。
いずれも2020年より前に長期の停滞期やドローダウン期がありますが、2020年は見事復活し、大きく利益を更新してきています。
よく“EAには寿命がある”といったことを聞きますが、EAが調子の良かった頃の相場と似た相場に戻ることもあるわけで、この4つのスイングEAは一旦調子を落としたEAでもまた調子を上げてくる可能性が十分ありうるということの証左になっているのではないかと思います。
管理人のEA・CSMV GBPCADが第3位と健闘!
管理人の朝スキャEA、ChallengeScalMorning V(CSMV)シリーズは複数の通貨ペアでGogoJungleや無料EAサイトに出品中ですが、その中でも最も好調だったCSMV GBPCADが今回のランキングで第3位にランクインと大健闘しました。
長期トレンド方向への押し目買い、戻り売りでエントリーし、仲値発表前までに決済するというシンプルなロジックですが、他のポンド系通貨ペアで苦戦したにもかかわらず何故かGBPCADとの相性は抜群でした。
デモ口座のみならず、公開中のAXIORYのリアル口座でも好成績で推移していますし、2021年も期待したいです。
平均収益率80%に迫る上位ベスト10!EA運用でのFX自動売買はやっぱり儲かる!?
今回評価対象となったEAは全部で34個。
GogoJungleにいくつのEAが出品されているか知りませんが、数百個あるいは数千個(?)のEAの中から絞り込まれた、いずれも長期で好成績を収めている優秀なEAばかりです。
今回この34個のEAの2020年1年間の成績の平均値を出してみたところ、こうなりました。
収益率 | PF | RF |
41.85% | 1.74 | 2.93 |
収益率が40%超えていますし、PFとRFもかなり良い数値ですね。
さらにベスト10に限るとこんな成績になっています。
収益率 | PF | RF |
76.85% | 2.44 | 5.13 |
収益率については利益÷「推奨証拠金」(GogoJungle)で算出された数値ですが、最大DDの2倍を証拠金に含めていますので、これでもかなり余裕を持った上での成績だと思います。
日本では銀行の定期預金の金利ですら0.1%にも満たない時代ですし、“投資の神様”ウォーレン・バフェットの投資利回りですら年平均約20%などと言われているのと比較すると、EAの選択次第ではありますが、このEA運用によるFX自動売買という投資分野がいかに夢のある分野かがわかりますね。
管理人はRF(リカバリーファクター)(※今年から「リスクリターン率」という呼び方を止めて「リカバリーファクター」に統一します)を最も重視しますが、ベスト10の昨年のRFの平均が5を超えてるっていうのも凄いですね。
長期のバックテストで年間平均でRF2以上とかだとかなり優秀なEAですので、年間5以上というのは長期的にはイレギュラーな年だということになるんでしょうけど、なかなか凄い数値です。
ただ問題は、1年後にこれだけの成績を残せるEAを選び出せるのかというところ。
ちなみに2019年の当ブログのEA評価ランキング年間ベスト20位以内に入っているEAで、2020年も連続でランクインしたのは一本勝ちとESCADA-USDJPY-の2本だけ(若干評価方法違ってます)。
2019年にトップレベルの成績でも2020年には大きなドローダウンを起こして販売中止になっているEAもありますし、相場次第でガラッとEAの成績が変わってしまうのがFX自動売買の難しいところです。
結局年間でプラスに持っていくには、過年度のフォワードの成績と直近の成績で調子の良いEAを選択し、不調になりつつあるEAがあれば稼働を停止したり、別の好調なEAと入れ替えながら運用するしかないと思いますし、長期で良い運用成績を出せるかどうかはその判断とタイミング次第ではないかと思います。
上記の成績を見て「儲かるならやってみたい」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、EA運用にはそういう難しい部分もあるという点には注意が必要です。
EAの多様化が進んだ?
その他気付いたこととしては、2019年はドル円のEAが14個ランクインしていましたが、2020年は8個に減少したことが挙げられます。
運用できるEAの通貨ペアの種類も増えましたし、それを反映しているのではないかと思いますが、同時にEAの手法やロジックの多様化もランキングに反映しているようです。
一昨年までは“朝スキャ強し”と思うことが多かったですが、昨年はドル円の朝スキャ勢の調子自体がイマイチだったということもありますが、朝スキャ勢はもはや主役ではなくなったのかもしれません。
ただそんな朝スキャも、朝エントリーはするけども決済自体は長めに保有するようなタイプのEA(例えばRECOBAなど)の中には優秀な成績のEAも出てきていますし、CSMVシリーズやKUNAIシリーズのようにドル円以外の通貨ペアでも好成績を出しているEAも少なくないわけで、朝スキャ自体も多様化していっているということかもしれません。
そして多様な手法が増えればポートフォリオのリスク分散化もし易くなりますし、EAユーザーにとっては好材料ではないでしょうか。
まとめ
ということで、2020年のEA評価ランキング年間ベスト20とEAの総括、いかがだったでしょうか。
収益率100%超えのEAもありますし、上位EAの成績は本当凄まじいものがありますね。
ちなみに当ブログでは毎年初めに前年度最も活躍したEA「MVE」を運用中のEAの中から選んでましたが、今回から止めることにしました。
これまでけっこう適当に選んでましたが、一応数字的な裏付けを持って評価したいですし、これまでMVEに選んだEAのいくつかが調子を落として運用停止に追い込まれてしまったのもその理由です。
なお当ブログ及びメルマガでは、今後もEA評価ランキングを中心にタイムリーに好調なEAを取り上げていく予定ですので、本年もどうぞよろしくお願いいたします。