現在LIBERTACTIONでは、Gold(XAUUSD)専用の新作EA・「AurumTriEdge(オーラム・トライエッジ)」を開発しています。
EAの基本部分がかなり固まってきましたので、今回はAurumTriEdgeの特徴と、10年以上にわたる長期バックテストの結果を初公開したいと思います。
3つのロジックでGoldを攻略
AurumTriEdgeのキャッチコピーは、
「3つのロジックでGoldを攻略。リスクを分散し、複利で資産成長を狙う。」
です。
AurumTriEdgeのコンセプトは、「Goldをデイトレ・スイングで捉え、ドローダウンを抑えながら、複利で資産を増やしていくこと」です。
そのために、性質の異なる3つのロジックを搭載し、リスクを分散しながらGoldの異なる相場局面を狙う設計としています。
初めてのGold EA開発――テーマは「DDをどう抑えるか」
AurumTriEdgeは、私にとって初めて開発するGold専用EAです。
開発当初から意識していたのは、「Goldをデイトレ・スイングで捉え、複利で資産を増やしていくEAを作れないか」ということでした。
Goldは値動きが大きく、大きな値幅を狙える一方、EAを開発する立場からすると、ドローダウンとの付き合い方が非常に難しい銘柄です。
そのため、今回の開発で特に苦心したのが、いかにドローダウンを抑えながら利益を伸ばしていくかという点でした。
ロジックを作っては長期バックテストを行い、結果を分析して修正。
そして、またバックテスト。
この作業を何度も何度も繰り返しています。
正直、これまで何回バックテストを行ったのか、もう数え切れません(笑)。
そうした試行錯誤の中でたどり着いたのが、1つのロジックですべての相場を狙うのではなく、性質の異なる3つのロジックを組み合わせるという現在のAurumTriEdgeです。
3つのロジックでGoldの異なる局面を狙う
AurumTriEdgeには、異なる条件・相場局面を狙う3つのロジックを搭載しています。
いずれも基本的には、小さな損失に抑えながら大きな値幅を狙う「損小利大」を意識したデイトレ~スイング型のロジックです。
毎日何度も売買する高頻度EAではありません。
それぞれのロジックに適した相場が来るのを待ち、Goldの値動きから利益を狙います。
また、ナンピンやマーチンゲールは使用しません。
各ロジックが保有するポジションは最大1つ。
3つのロジックを合わせても最大3ポジションというシンプルな構成です。
ロジックの設計では近年のGold相場を重視し、そのうえで10年以上の長期間でも機能するのかをバックテストで検証しています。
11年以上・1263回の長期バックテスト
では、「ドローダウンを抑えながら利益を伸ばす」という開発テーマに対して、実際のバックテストはどうなったのか。
今回は固定0.1lot、固定スプレッド3pipsで長期バックテストを行った結果を掲載します。
<バックテスト条件・結果>
検証期間:2015年1月~2026年6月
初期証拠金:10,000ドル
ロット:固定0.1lot
スプレッド:固定3pips
モデリング品質:99.90%
※TickDatSuiteを使用(ヒストリカルデータはDucascopy)
取引回数:1263回
純益:41,974.39ドル
最大DD:1,008.30ドル
PF:2.14
RF:約41.63
10年以上、1,200回を超える取引を行い、PFは2.14。
最大ドローダウンは約1008ドルという結果になりました。
AurumTriEdgeで重視しているのは、利益の大きさだけではありません。
値動きの大きなGoldで、「ドローダウンをどこまで抑えながら利益を積み上げられるか」という点を重視しています。
そのため純益やPFだけでなく、最大DDやRFについても確認しながら開発を進めています。
※RF(リカバリーファクター)は、純益÷最大ドローダウンで算出しています。
複利運用では「許容損失」からロットを計算
AurumTriEdgeでもう一つ重視しているのが、複利による資産成長です。
これまで私が開発してきたEAでは、複利運用時のロットについて、余剰証拠金に対して設定したリスク値をもとに保有可能なロットを計算する方式を採用してきました。
AurumTriEdgeでは、この仕様を変更しています。
基準とするのは、「1回のトレードで、どこまで損失を許容するか」です。
AurumTriEdgeでは、SL(ストップロス)までの距離と設定した許容損失率を基準に、
トレードごとのロットを算出します。
例えばリスク値を1%に設定した場合には、SLまでの距離から想定される損失額を基準に、資金に対するリスクが約1%となるようロットを計算します。
つまり、「どれだけのロットを持てるか」ではなく、「1回のトレードでどれだけの損失を許容するか」という考え方をベースにしています。
※実際の損失額はスリッページや価格変動、最小ロット・ロット刻みなどによって設定したリスク値と完全には一致しない場合があります。
裁量トレードでは「2%ルール」のようにこの方式でロット計算を行うトレーダーも多く、比較的馴染みのあるロット管理法ではないかと思います。
また、Goldは値動きが大きいため、複利で資産成長を狙うのであれば単に資金が増えるにつれてロットを増やすだけでなく、1トレードあたりのリスクを基準としてロットをコントロールすることが重要だと考えました。
複利1%でバックテストすると?
こちらは複利リスク1%で長期バックテストを行った結果です。
<複利1%バックテスト結果>
初期証拠金:10,000ドル
複利リスク:1%
取引回数:1263回
純益:142,834.61ドル
最終残高:約152,835ドル
PF:2.64
最大DD:4,745.37ドル
最大下落率(相対DD):18.24%
RF:約30.10
初期証拠金10,000ドルに対して、約11年で最終残高は約152,835ドルとなっています。
複利の効果によって、資産が増えるにつれてロットも変化するため、資産曲線も後半になるほど伸びが大きくなっています。
もちろん、ここで利益だけを見るべきではありません。
複利運用では利益が大きくなる一方、運用途中のドローダウンも大きくなります。
今回のバックテストにおける最大下落率(相対DD)は18.24%でした。
複利ならこれだけ増えるという利益面だけではなく、その過程でどの程度の下落が発生したのかについても確認する必要があります。
AurumTriEdgeでは複利運用時の許容損失率をユーザー側で設定できるようにし、自分のリスク許容度に合わせた運用ができるようにしています。
変動スプレッドでも検証中
Gold EAでは、実際の取引環境におけるスプレッドの変動も無視できません。
そのためAurumTriEdgeでは、固定スプレッドによるバックテストだけでなく、実際のスプレッド変動を反映した長期バックテストについても検証を進めています。
固定条件だけで良好な結果が出るEAではなく、より実運用に近い環境でも性能を確認することを重視しています。
変動スプレッドでの検証結果については、データがまとまり次第、別の記事で詳しく紹介する予定です。
リアル口座でのフォワードテストも開始
バックテストと並行して、リアル口座でのフォワードテストもすでに開始しています。
最初のリアルトレードも発生しました。
ただし、まだ運用を開始したばかりです。
バックテストで良好な結果が出たからといって、それだけでEAの性能を判断することはできません。
今後はリアル相場で実際にエントリー・決済が正常に行われるか、バックテストと大きな乖離が発生しないかなども含め、引き続き検証していきます。
販売・公開に向けて検証を継続
AurumTriEdgeは現在、販売・公開に向けた検証と調整を続けています。
初めてのGold専用EA開発ということもあり、予想以上に試行錯誤を重ねることになりました。
それでも、数え切れないほどのバックテストと改良を繰り返す中で、「Goldをデイトレ・スイングで捉え、ドローダウンを抑えながら複利で資産成長を狙う」という当初からのコンセプトは、ようやく形になってきたと感じています。
「3つのロジックでGoldを攻略。リスクを分散し、複利で資産成長を狙う。」
今後も変動スプレッドでの検証やリアル口座でのフォワードテストを続けながら、完成度をさらに高めていく予定です。
販売・公開時期が決まりましたら、あらためてお知らせします。