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リアルなティックデータで信頼できるバックテストが可能!Tick Data Suite(TDS)について調べてみた!

はじめに

随分前にTickDataSuite(TDS)について書いた記事ですが、時間が経っているので、アップデートしてみました。

値上げや円安もあってサブスクの利用料金や買い切り価格が随分高くなった印象ですが、依然としてMT4用のEAのバックテストツールとしてはこれ以上のものはないのではないかと思います。

EA開発に興味ある方やまだTDSを使ったことがないという方に特に参考にしていただけたらなと思います。

 

Tick Data Suiteとは?

今回はMT4用のEAのバックテストツール・Tick Data Suite(以下TDS)について書いてみたいと思います。

通常バックテストと言えば、MT4のストラテジーテスターで行うことが多いと思いますが、この場合1分足未満の価格の値動き=Tick(ティック)が疑似的に生成されてしまいます。

つまりMT4のバックテストではティックレベルでの値動きは実際のリアルなデータとは別物です。

1分足のヒストリカルデータが本物だとしても、スプレッドの開きやスリッページが発生する実際の値動きまで再現したリアルなバックテストはできないのが実情です。

これに対しTDSの場合はティックレベルでのヒストリカルデータを使用したバックテストが可能なツールです。

ですので、よりリアルな環境でのバックテストが可能になりますので、MT4のストラテジーテスターのみを使用したバックテストよりも正確で信頼性のあるバックテストが実現可能です。

 

Tick Data Suiteのメリット

ではこのTDSを使用した場合に、どんなメリットがあるのか。

まずは繰り返しになりますが、リアルなティックデータを利用することで、スプレッドの開きやスリッページなども含めた実際のレートの動きに近い形でバックテストができるため、バックテストがより正確で信頼できるものになるという点があげられます。

より端的に言うと、通常のMT4のストラテジーテスターを使ったバックテストでは固定スプレッドのみでのそれになりますが、TDSでは変動スプレッドを使ったバックテストが可能というのが大きな違いになります。

バックテストの精度の高さを表す「モデリング品質」も、通常のストラテジーテスターを使ったテストでは最高「90%」なのに対し、TDSの場合は「99.9%」となります。

加えて、GMTの設定や、手数料、スワップなど、バックテストの条件設定も細かくできるため、よりユーザーの実際のEAの運用条件に近づけてバックテストを行うことも可能です。

例えばこちらは公式サイトで公開されている同設定、同期間でのスキャルピングEAのバックテストの比較になりますが、左が通常のMT4のストラテジーテスターで行ったバックテスト結果、右側がTDSを使用して変動スプレッドで行ったバックテストの結果になります。

一目瞭然ですが、このようにたとえ通常のMT4のバックテストできれいな右肩上がりの成績だとしても、よりリアルの相場環境に近い変動スプレッドでのバックテストではそうならないことも多いです。

なお、TDSのティックデータについてはDucascopy、TrueFX、Alpari、FxOpenなどのデータが利用可能なので、異なるティックデータごとにバックテストを比較することもできます。

ちなみに日本で一番利用されているのはDucascopyのデータで、私自身もTDSでバックテストを行う場合は同データで実施しています。

それから、TDSを使ったバックテストの場合は通常より速くなりますので、繰り返し条件を変えてバックテストをやってみたいという場合は、かなり重宝するのではないかと思います。

最後に、細かい設定にこだわらない場合は、私自身特に迷いなく使えているので、初心者でも比較的扱い易いツールであるという点も指摘しておきたいと思います。

 

Tick Data Suiteのデメリット

TDSのデメリットにも触れておきましょう。

まずティックデータをダウンロードするのに時間がかかるという点が挙げられます。

ティックのデータは1秒間に1回以上のデータがある場合もあり、はっきり言って膨大です。

例えばDucascopyのデータを使用する場合、ドル円、ユーロドルなどのメジャーな通過ペアであれば2003年5月以降からダウンロードできますが、完了まで数時間かかります 。

ただしサブスクで利用するなど継続して利用する場合は、一度長期の期間データをインポートしてしまえば、あとは月1回や週1回程度の頻度でデータを更新していくようにすればそれほど時間はかかりません。

※バージョン2.2.44以降ダウンロード速度は向上しているようです。

しかしTDSを利用する上での最大の問題は、コストがかかるという点です。

TDSの利用プランとして、月額プラン(サブスク)年間プラン(サブスク)生涯プラン(買い切り)がありますが、料金は以下のように表示されています。

月額のサブスクプランで5490円、年間のサブスクプランで31590円、買い切りの生涯プランだと90900円となっています(2025年10月現在)。

月額プランは月5000円以上かかってしまうことを考えると1ヶ月換算で2600円程度となる年額プランを選択した方がコスパ的にいいかと思いますが、1年以上利用するのが前提になります。

資金に余裕があり、今後何年もEA開発をやっていきたいという方は買い切りもありかと思いますが、逆に短期間での使用を考えるなら、月額プランでもなかなかの出費になってしまいます。

ですのでEAの開発者やEAの利用前によりリアルな条件でバックテストをやりたいという方など、もしかすると高コストを負担してでもTDSを利用したいう方は限られてくるかもしれません。

Tick Data Suiteの公式サイトはこちら

 

FreeTrial(無料お試し)の利用方法

上記のようにTDSは有料となっていますが、14日間だけ無料で利用できるFreeTrial(無料お試し)があります。

ですので使ってみたいけど月額プランでもコストが・・・という場合は、実際に有料プランを購入する前にまずはこのFreeTrialを活用するのがお勧めです。

以下FreeTrialの利用の流れを書いてみたいと思います。

①まずは公式サイトのTDSページ下部(プラン選択の下)にある「TRY FREE」をクリック。

 

②ポップアップで表示されたフォームから名前とメールアドレスを入力し「SUBMIT」をクリック。

 

③すると先ほど入力したアドレス宛に下記のメールが届いているはずですので、「Download」をクリックしてTick Data Mnagerをダウンロードしてください。その際、ライセンスキーの入力が求められますので、メールに記載のあるキーをコピペしてダウンロードを進めて下さい。

以上でトライアル版を利用する準備ができました。

デスクトップには下記のようなダニ(tick)のアイコンが表示されているはずですので、TDSを利用したい場合はこのアイコンをクリックしてTick Data Mnagerを起動してください。

※なお一度PCにインストールしたらそのPCとTDSが紐づけされてしまいますが、別のPCでもトライアル版を利用したい場合は再度同じメールアドレスで登録すれば新たに新規のライセンスキーが発行されて別PCでも同様の手順で利用できるようになるようです。

 

TDSの設定とバックテストの方法

次にTDSの基本的な設定とバックテストについて紹介したいと思います。

Tick Data Mnagerを起動すると下記のような画面が表示されますので、ダウンロードしたいヒストリカルデータのブローカー(データの種類)、通貨ペアを指定してください。

一番右側の逆三角形のところをクリックすとダウンロードがスタートします。

 

ダウンロードが終わったら(上画像ではDLは終わってません)、ここでMT4を起動してくさい。

するといつものストラテジーテスターとは違って、右端に「ティックデータ設定」「ティックデータを使う」という表示が出ていると思います。

 

ここからは変動スプレッドを使用してのバックテスト方法について。

まず、MT4の方ですが、「始値のみ」や「コントロールポイント」設定でのバックテストの場合はTDSでダウンロードしたヒストリカルデータ自体は使用できますが、変動スプレッドを使用したバックテストはできず、固定テストのみでのバックテストになります。

変動スプレッドでバックテストをしたい場合は、必ず「全ティック」の設定にしておく必要があります。

その上で、「ティックデータを使う」にチェックを入れ、「ティックデータ設定」(下記画像)でソースとシンボルを指定し、EAを実際に稼働させる業者と同じ条件でテストしたい場合は、GMTオフセットと夏時間も業者の条件に合うよう選択してください。

 

次にスプレッドの設定から「変動」にチェック。よりリアルな環境でテストを実施したい場合は、EAを稼働する業者の最小スプレッドと最大スプレッド、スリッページ、レバレッジ、スワップ、手数料など必要に応じて適宜設定してください。

 

以上の設定後、MT4のスプレッドのところが「変動」になっているかを確認し、あとは通常のストラテジーテスターと同様にバックテストをすればOKです。

 

※公式公開のクイックスタートガイド

 

まとめ

以上TDSについてメリットやデメリット、見てきました。

TDSはMT4で変動スプレッドを使ったリアルな環境でバックテストを行うことのできる唯一と言ってもいいツールです。

勿論バックテストは過去の結果なので、いくらTDSを使ったバックテストの成績が良かったからといってそのEAが未来のリアル相場でもそのまま通用するということにはなりません。

またTDSの導入は高コストでもあります。

したがって導入にはその費用対効果を十分に検討する必要がありますが、これからMT4用のEAを作っていきたいという方、バックテストにとことんこだわりたいという方にとっては、強力な武器になりうるツールでもあります。

興味はあるけどまだTDSの導入に躊躇しているという方は、FreeTrialで2週間お試しで利用することもできます。

是非この機会に導入を検討してみてはいかがでしょうか。

Tick Data Suiteの公式サイトはこちら

 

 

 

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