異国のAI.自動売買システムとは
「異国のAI.自動売買システム」は、 Pythonとデータサイエンスを活用して開発された次世代EA( MT4・MT5対応)です。
数億回規模の試行・検証を行い、人間の直感や手動調整では発見が難しいパラメータを探索・実装しています。
従来のEA開発では不可能だった高次元の最適化と、過去データに依存しないロジック設計を追求した商品です。
引用:公式サイトより ※以下引用した画像は全て同サイトより引用しています。
特徴
Python×データサイエンスによる最適化
本EAは、従来のMQL4 環境に依存した総当たり最適化や遺伝的最適化ではなく、Python 上にバックテスト環境を再構築しOptuna などの最新機械学習ライブラリを用いて従来のMQL4/MQL5 だけでは実現できない数億通りのパラメータ探索と評価を実施しています。
RSI、ボリンジャーバンド、MFI など複数インジケーター間の複雑な相関関係を AI が解析し、人間では発見困難なバランスを持つパラメータセットを導出。何千回、何万回にも及ぶ試行錯誤を経て最適化されたロジックが搭載されています。
過学習の排除
バックテスト開発時にデータを学習用と検証用に厳密に分け、学習データで良好でも 未知データで機能しない設定を除外 することで、カーブフィッティング(過学習)の影響を最小化しています。
独自指標「ヒヤリハット」で安全性評価
本EAでは、単に利益が出たかどうかだけで判断する従来型の評価ではなく、「ヒヤリハット」という独自指標を用いた安全性評価を採用しています。
利確できたものの、わずかな値動きで損切りになり得た不安定なトレードを検出し評価を減点。
偶然性の高い薄氷の勝利を排除し、余裕を持って勝てる再現性の高いロジックのみを採用しています。
負荷テスト実施
通常のバックテストではなく、 スプレッド拡大や不利な相場環境まで想定した負荷テスト を行い、理想条件に依存しない堅牢なロジックを選別しています。
時間効率重視とリスク低減
単純な勝率だけでなく、 トレードの時間効率(Pips/Bar)を重視 した評価指標を導入し、無駄な拘束時間を削減してリスク低減を図っています。
複利機能搭載
証拠金の増加に応じて 自動的にロット数を調整する複利運用機能 があり、運用スタイルに応じた資産形成を目指せます。
対応通貨ペア・時間足
本システムは GBP/JPY(ポンド円)の 5 分足(M5)専用 EA として設計されています。
バックテスト結果(期間 2003.8.4〜2025.12.12)
以下は公式サイト掲載のバックテスト結果です。
・総取引回数:約18,424 回
・プロフィットファクター(PF):4.87
・純益:¥12,637,317(初期証拠金 100 万円、0.1 ロット固定)
・最大ドローダウン:108071.00(0.81%)
・勝率(買い/売り):86.48%
バックテストでは、長期間かつ高い総取引数で 安定した収益性能 が示されています。
このテスト結果についてですが、まず最大5ポジですが計18424回の取引ということで、1ポジあたり平均取引数も3500回超えており、十分な取引数での結果となっています。
その上でPF4.87というのは、これ驚異的ですね。ナンピン系以外でこの数値というのは、たとえマルチロジックでも簡単に出る数値ではないです。
そしてここには表示されてませんがRF(リカバリーファクター)が116.94(笑)。
通常こんな数値が出るのは、リアル口座で使い物にならないスキャル系のブレイクアウトEAぐらいかと思うんですが、本EAの場合はAIが膨大な数のパラメータの中から最適解を組み合わせてロジックを構築してるとすると、そういう単純なものではないはずです。
結論を言えば、非常に期待せざるをえない驚愕のバックテスト結果だと言えます。
なお商品ページでは、複利モードONでのバックテスト結果も掲載されており、100万円スタートで、その約5000倍、約50億円超まで増えています(!)。
フォワードテストも公開中
まだ公開スタートしたばかりですが、マイナススタートとなっています。
バックテストのポテンシャルがどの程度発揮されてくるのか、今後の推移が非常に楽しみです。
本EAを利用する上での注意点
本EAを利用(購入)するかどうかを検討するにあたって、いくつか注意点についても触れておきたいと思います。
リアルタイムデータでAIがデータ学習を行っているわけではない
AIは開発・検証段階で活用されているということで、EAが実際に稼働している段階でAIが相場のデータを学習してリアルタイムで判断しているというわけではありません。
別記事でも書きましたが、「AI搭載EA」には①Python連携型(※本EAとは異なりMT5専用でPython側で最新データを取得・再学習・推論して結果を返す)、②外部APIサーバー連携型、③軽量AIモデル数式化型3つのタイプがあり、多くは③のタイプとなっています。
本EAについても最新データを取得して再学習するタイプではなく、③タイプのEAですので、そこは注意が必要です。
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ロジックがブラックボックス
本EAには「何千回、何万回にも及ぶ試行錯誤を経て最適化されたロジック」が搭載されているということですが、販売ページには当然ながら具体的なロジックの内容は記載されていません。
非常に複雑で分かりにくいロジックになっている可能性もあり、そもそもAIが抽出したロジックを既存のテクニカル理論で説明できるのかどうかも不明です。
通常は具体的ではないにしても、大まかなロジックや使用しているインジケーター、決済条件等販売者側で記載していることの多いEAですが、本EAにはそうした記載がなく完全にブラックボックスになっていることは理解しておく必要があります。
フォワード期間が短い
まだフォワードが公開されて間もないので、すぐに購入するのはおすすめできません。
購入を検討する場合でも、最低でも数ヶ月はフォワードとバックテストの極端な乖離がないかを確認しておく方が無難です。
推奨証拠金とマネジメント
運用に必要な目安資金はレバレッジによって変わります。
本EAでは0.1 ロット固定で運用する場合の目安として、レバレッジ 20 倍では約 208,000 円、レバレッジ200倍では118000円が必要とされています。
サポートと導入サポート
EA の導入・設定方法や各パラメータの解説をまとめた PDF マニュアルが付属し、 初心者でもスムーズに導入できるサポート体制 が整っています。
運用に関する質問にも対応しています。
まとめ
異国のAI.自動売買システムは、Pythonとデータサイエンスを用いて開発された、従来型EAとは一線を画すアプローチの自動売買システムです。
総当たり最適化や単純な遺伝的アルゴリズムに頼らず、数億通り規模のパラメータ探索と独自の安全性評価を通じて、再現性と安定性を重視したロジック構築が行われています。
特に、過学習を排除するための検証手法や、「ヒヤリハット」による薄氷の勝利を排除する評価指標、スプレッド拡大まで想定した負荷テストなどは、長期運用を前提としたEAとして評価できるポイントです。
バックテスト結果も非常に優秀で、理論上のポテンシャルは極めて高いEAと言えるでしょう。
一方で、ロジックはブラックボックスであり、フォワードテスト期間がまだ短い点には注意が必要です。
AIがリアルタイムで学習・判断するタイプのEAではないため、「AI」という言葉のイメージだけで過度な期待を持つのではなく、バックテストとフォワードの乖離を慎重に見極めた上で検討することが重要です。
総合的に見れば、今後のフォワード推移を注視する価値のある注目EAであることは間違いないでしょう。
なお、現在GBPJPY版のみが販売されていますが、今後他の通貨ペアも販売されるのかも注目しておきたいところです。