今回は1分足を使用したユニークなコンセプトのEA、INTER-Est.をレビューしたいと思います。
【フォワード成績】
【基本データ】
EA名称 |
INTER-Est. |
通貨ペア | USDJPY |
取引スタイル | デイトレード |
最大ポジション数 | 1 |
使用時間足 | M1 |
最大SL | 変動 |
最大TP | 変動 |
備考 | ・SLはエントリー後にトレーリングストップにより設定
※内部ロジックによる決済あり |
【ロジック等】※GogoJungleの紹介ページから引用
■■エントリーロジック■■ 「INTER-Est.」はスワップ金利も狙っていくため、NYクローズ前が主なエントリーポイントとなります。 ロングのみのエントリースタイルでも勝てるように、勝率の高い独特なエントリーロジックを開発。損失を減らして利益を増やすために、下がりきったところを狙い撃ちます。 そのため損失が発生しにくく、利益を上げやすい設計にすることに成功しました。 さらにエントリーと同時にトレーリングストップが発動するため、大きな利益幅も狙っていくことができる仕様。稼げるときはとことん稼ぎます。
【バックテスト】
ロジックのところを見ていただくとわかるように、このEAは「NYクローズ前が主なエントリーポイント」ということで、早朝エントリータイプのEAということになります。
しかし通常の朝スキャタイプのEAと違うのは、これがロングでのエントリーのみという点です。
というのもこのEAのコンセプトはロングによる上昇利益にプラスして、スワップポイントも稼ごうという「ダブルプロフィットシステム」だからです。
フォワードの履歴を見ると、サーバー時間で期日をまたいでエントリー~決済となっている場合は、確かに勝っても負けてもしっかりスワップが獲得できていますね。
エントリーと決済のタイミングによってはスワップは付きませんが、使用時間足が1分足ということもあってエントリー数は多いので、このスワップポイントの積み重ねも無視できない利益(interest)になってくるはずです。
商品ページの説明にも、このスワップポイントのおかげで期待利得が通常のEAより大きいと説明されてます。
【スワップ金利の高威力】 損益を平準化して、一回当たりの取引でどれだけ利益が出るかを示した数値に「期待利得」というものがあります。「勝ったり負けたりするけど、平均で1取引あたりどれだけ利益が出ることになるのか?」というのを表した数値です。 この期待利得は1ロットで運用しているとだいたい2000円あたりが一般的なところ。 では「INTER-Est.」の活躍の場となるUSDJPYでの1ロットあたりのスワップはいくらくらいになるのか。 証券会社にもよりますが、実は1ロットあたり1回500円~800円ほどになります。 つまり1取引当たりこの金額が丸ごとプラスされるわけです。 「INTER-Est.」の1ロット運用時の期待利得は「2496.99円」 スワップの力も手伝って、一般的な数値の125%ほどの利益になっています。 このようにワンランク上の利益を安定的に出せるようになっているのが、トレードロジックにスワップポイントを取り込んだ「INTER-Est.」の強みです。
加えて「「ダブルプロフィットシステム」で『1億2千万円』を射程範囲」にというように、このEAは複利で運用することを前提にしているようで、複利運用のシステムも工夫がなされているようです(デモ口座のフォワードも複利)。
【「億」の利益を狙える複利運用管理システム「Eighty System」】 「Eighty System」は、億を超える金額を稼いできたプロトレーダーのトレード法をもとに構築された運用管理システムです。複利での運用管理を自動で行い、ロット調整を適切におこなっていきます。 「INTER-Est.」は100万円スタートで、2年7ヵ月で1275万円、丸5年で1億2401万円の利益を出すテスト結果を出しています。
ちなみにこの「Eighty System」は「証拠金残高の約80%をエントリー 」に使用するようですが、金融庁未登録の海外ブローカーの場合は「レバレッジの違いから想定外の動きをする可能性があります」ということなので、海外ブローカーでの運用を考えている方は固定ロットで運用した方がいいかもしれませんね。
この複利運用の結果を見るとなんだか凄そうなEAという気もしますが、実際にはロットが大きくなった時に注文が通るのかどうかという問題や、多額の利益が出たら税金を払うために引き出さないといけないという問題があます。
なので1億云々は話半分というところですが、バックテストを見る限りは取引数が多く勝率が高く、最大ドローダウンも小さいようなので、確かに複利運用にすることで資金の増え方も速いかもしれませんね。
しかし気になるのはその公開されている長期のバックテストのスプレッドが「3」と非常に小さいのと、逆にスプレッドを大きくした場合(5~20)のバックテストが2014年以降とか2015年以降という短期間のものしか公開されていない点です。
ドル円でスプレッド3(0.3pip)の固定で24時間取引できるブローカーはどこにもないと思いますし、まして朝方のスプレッドの開きやすい時間帯にエントリーということであれば、このスプレッドでの長期バックテストは個人的にはあまり信用できないと思います。
しかも1分足でのエントリーなので、「内部ロジックを工夫することにより実運用、フォワードテスト、バックテストの乖離をできるだけ少なくなるように設計しています。つまりテスト通りの結果が実運用で出やすくなっているということです。」 と書かれてありますが、これだとリアル口座とバックテストとの乖離が大きくなりそうな気もします・・・。
「10年以上通用するロジックを搭載」と言うのであれば、やはり常識的なスプレッド(ドル円なら10~15ぐらい)で長期間のバックテストを公開すべきだと思いますが、それがなされていないのはどうしてなのか、色々考えてしまいますね。
まあこのあたりはゴゴジャンさんにもきちんとバックテストの基準を決めていただきたいところです。
と今回は少し辛口の評価になってしまいましたが、ユニークなコンセプトのEAだけに、デモ口座のフォワードには注目してみたいと思います。