一本勝ちのロジック別バックテスト検証を一通り終えましたので、今回はロジック同士の組み合わせを見て、最良の組み合わせを検討してみたいと思います。
どのロジックが優秀なのか?
QuantAnalyzerを使用すればバックテストのHTMLデータから各指標ごとにどのロジックが優秀なのかを見ることができます。
まずはアルパリのデータを使った1999年~2018年までの20年間の検証で、利益、PF、勝率、最大ドローダウン、リスクリターン率でそれぞれのどのロジックが優れているのか、順位を見てみたいと思います。
利益
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半分以上のロジックが1ポジ0.1ロットで20年間で1万ドル以上の利益をあげています。
平均すると毎月50ドル以上ということになりますので、やはり一本勝ちというEAはかなり優秀だということがわかりますね。
中でもCancer、Aries、Aquarius、Virgoは12000ドル~14000ドルの利益ということで、特に″稼げる″ロジックということが言えると思います。
デフォルトのロジックであるAquariusが3位に入ってるのはさすがですが、Cancerと比べると少し利益は少ないのでこのまま使い続けるか迷いますね。
下位の3つのロジックはリスクリターン率も小さいし、この中では若干レベルが落ちるかも。
PF(プロフィットファクター)
PF(=総利益÷総損失)でも1.3以上が半数以上あり、優秀なロジックぞろいということがわかります。
中でもVirgo、Cancer、Gemini、Aquariusは1.4前後の数値になっていて、PFを重視する人だったらこの中から選びたくなるかもしれませんね。
Piscesはここでも最下位だし、数値も良くないので、やはり採用は避けるのが無難かもしれませんね。
勝率
勝率はPisces以外はどれも7割以上と高く、それほど変わらない感じですが、少しでも高い方が良いという方であればCapricornとSagittariusが8割という高勝率なので気になるかもしれません。
最大ドローダウン
最大ドローダウンが一番小さいのはCapricornでした。Geminiも500ドル台で小さいですね。利益が大きいトップ4の中ではCancerが684ドルと一番小さかったです。
Aquariusは811ドルで最後から2番目ということで、以外と最大ドローダウンは大きいことがわかりました。これまでずっと結果を出し続けてきたロジックなので、若干ショックですね・・・。
今現在はこのAquariusとCapricornを運用中ですが、これを機に運用ロジックを変えてみるかどうか、迷うところです。
リスクリターン率
リスクリターン率(=利益÷最大ドローダウン(ここではリターン・ドローダウン・レシオ))はEAを評価する際に私が一番重視する数値なんですが、ここでもCancerが一番で、Aries、Geminiと続いています。
上位のロジックは攻撃と防御のバランスが優れていると思いますので、できればこの中からメインロジックを決めたいところです。
全ロジックで運用したらどうなる?
こうして見てみると、同じ一本勝ちでもかなりロジックごとに優劣があることが分かりますね。
で、どのロジックを採用してどのロジックを落とすのかを決めたいのですが、その前に全ロジックで運用した場合どうなるのかも見ておきましょう。
とりあえず全ロジックで運用したら、毎年プラスになっていることがわかりましたね。
20年間で118986ドル(約1300万円)を稼いでますし、ずっと右肩上がりでなかなか素晴らしいんですが、最大ドローダウンも6700ドル(約75万円)ほど発生していますので、各ロジックとも1万通貨で運用するにはざっと200万円程度の資金は必要かと思います。
ここは他のEAとの兼ね合いもありますし、資金効率の点からももっと運用ロジックを絞り込んでより良いロジックの組み合わせを考えたいところです。
どのロジックを残すか?
どのロジックを採用してどのロジックを捨てるかは、色々と決め方はあるかと思いますが、まずは利益の大きいロジックはメインに据えたいところですね。
それと攻めと守りのバランスを重視してリスクリターン率の高いEAを残して、低いEAは候補から外そうと思います。
で一次予選通過ロジックは、以下のロジックにしました。
Cancer
Aries
Gemini
Virgo
Taurus
Aquarius
Capricorn
ということでPiscesやScorpioなど利益が低いロジックやリスクリターン率が低いロジックは、他のロジックが足を引っ張られても嫌なので選びませんでした。
検証中にも触れましたが、Piscesはちょっと他のロジックとは異質で、メイン級のロジックと実は相性はいいんですが、ちょっとロジックとしての性能が低すぎるんですよね。なので仕方ないかなと思います。
Libra、Leo、Sagittariusは利益が小さいもしくはドローダウンが大きいかでリスクリターン率が低いため却下。
ということで、この7つのロジックの中から相性を見て運用するロジックを決めようと思います。
どのロジックを採用するか?
選んだロジックでポートフォリオを生成し、QuantAnalyzerの相関分析にかけてみます。
残念ながらAquarius、Aries、Cancer、Virgoの利益の多い4つのロジックは互いに相関が高く、同時に運用するのには向いていないようです。
一方CapricornはAries、Cancerと0.4未満と相関が低く、GeminiとTaurusは相関が十分に低いロジックはないようです。
ということで、組み合わせとしてはCapricornとAries、またはCapricornとCancerが一番いいのかなという印象です。
ではどっちの組み合わせがいいか。
Aries×CapricornとCancer×Capricornでは後者が利益、PF、勝率、最大DDの小ささ、リスクリターン率、全てで勝っていますね。
なので結論としてはCancer×Capricornの組み合わせを選ぶのが合理的ということになるのかな、と思います。
Cancer×Capricornの組み合わせは2005年と2010年以外は毎年しっかりと利益を出していますし、直近の成績も悪くないです。
しかしかと言ってリアル口座でもこの組み合わせだけにしてしまうのは、Aquariusでずっと良い結果を出しているので正直抵抗ありますねえ・・・。
AquariusとCancerは確かに相関が高いですけど、それぞれ近年の成績は悪くないですし、3月からは一応このバックテストの結果を重視しつつもこれまでのAquariusの成績も尊重しつつ、ドローダウンが多少大きくなるのは覚悟でAquarius×Cancer×Capricornの3ロジックの組み合わせで運用していこうと思います。
まとめ
というわけで一本勝ちのロジックを検証してきましたが、運用されている方には多少参考になったでしょうか?
思った以上にロジックに優劣があったなあというのと、概ねどのロジックも非常に優秀だったなあというのが率直な感想ですね。
できればもう少し相関にばらつきがあったら良かったんですが、より良いロジックの組み合わせが見つかったのは収穫でした。
ただこの一連の検証では全く触れませんでしたが、この12ロジックは15分足専用というわけではなく、5分足や60分足など他の時間足でも運用可能なんですよね。
なので他の時間足でも試したらまた違う結果が見られるかもしれません。
しかしそこまではさすがにもう無理です・・・。
というわけで以上長~い検証でしたが、これで一本勝ちのバックテスト検証シリーズは終了とさせていただきます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。