今回は『FX自動売買脱初心者ガイド「失敗しないEA選びの真髄」: 勝てない原因の本質とは？ MT4システムトレード攻略入門』という電子書籍の本をご紹介したいと思います。
この本はAMX USDJPYなど、多くのEAを開発されていいるEA開発者のTNK_SYSTEMさんが書かれた本になります。
FX自動売買初心者の方でも、バックテストやフォワード（テスト）の成績を見てそのEAを購入（運用）するかどうか決めるという場合がほとんどかと思いますが、この本ではそんなEA選択にあたって、バックテストやフォワードをどのように見ればよいのか、基本的な読み解き方からQuantAnalyzerによるを分析の仕方、さらには口座ごとあるいは時間帯ごとによるスプレッドの違いがEAの成績にどのような違いをもたらすかといった応用的な見方まで、豊富なデータに戻づいてケースごとの成績比較などを交えつつに解説した本となっています。
この本を読めば、単純に右肩上がりのグラフのEAやプロフィットファクターなどの数値の立派なEAが必ずしも「良いEA」とは限らないということが分かり、選択すべきでないEAや詐欺EAに引っかかりづらくなるはずです。
さらにはバックテストやフォワードテストの詳細な読み解き方を理解することで、表面上立派な成績の背後にある隠れたからくりに気づきやすくなってEA選択での失敗を減らすことができるようになるだけでなく、EA開発をするにあたって避けたいポイントなんかも見えてくるので、EA利用者と開発者双方にメリットをもたらしてくれる本となっています。
大きく分けるとバックテストの詳細な見方から、フォワードの読み方のポイントを解説した第1章と、スプレッドの違いがどうEAの成績に影響するのか、そして（サーバー時間上の）0時台やロールオーバー時、1次台・23時台のスプレッドの特徴と、そうした時間帯のスプレッドとEAの成績との関係等について解説した第2章に分かれています。
個人的には第1章でもQuantAnalyzerの使い方など参考になる点はいくつかありましたが、特に第2章については実際に行ったスプレッド計測のデータに戻づいてEAの成績比較などが掲載されており、興味深かったです。
例えばスプレッド0時台にスプレッドが拡大するというのは常識かと思いますが、拡大しない場合もあり、その場合は成績が通常より良くなるという指摘や、スプレッドが平時より開く時間帯で取引の多いEAの場合は該当時間のスプレッドで開発しないとパフォーマンスに誤差が出やすいという指摘など、意外と意識していなかった点や気づいていなかった点についての知見が得られ、大変参考になりました。
バックテストの見方が分からないという方や、詐欺EAとそうでないEAの見分け方を知りたいという方には特にお勧めですが、EA開発者の方でバックテストと実運用との乖離をできるだけ防ぎたいという方も読んでおいて損はない本だと思います。
